システムトレードとは

システムトレード(以下シストレ)とは、事前に決めておいた売買ルールに従って、機械的・継続的にトレードする手法を指します。ルールとは、いつどのような条件で仕掛けるか(買い/売り)、いつどのような条件で手仕舞いするか(利益確定/損切り)、などトレードにおける決め事のことです。

シストレは、株取引やFX(外国為替)取引など様々な取引で取り入れられており、目的や用途に応じて様々な形式が存在します。形式としては、売買タイミングを表計算ソフト(Excelなど)あるいはシストレ専用ソフトを用いて判定し、発注は自分で行う形式や、売買タイミングも発注も自動で行う形式があります。

売買タイミングの判定には主にテクニカル分析が用いられますが、取引ルールに自身の相場観や曖昧な視覚的判断を採用しないのであれば(例えば企業の株価収益率や経済ニュースの特定キーワードの増減を判定に用いる)、それは広義のシストレと呼ぶことができます。

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メリット

感情の排除

「もう少し待っていれば株価(為替)が上がってくるだろう」といった希望的観測や、「これ以上損をしたくないので投げ売りして楽になろう」といった恐怖などの人間的感情を排除することができます。

時間の節約

いつどのような条件でトレードするかをシステムに任せるので、余った時間を有効利用することができます。といっても、売買ルールの構築や検証にはそれなりの時間がかかりますが。

統計的優位性

シストレを行う際は過去の株価あるいは為替の時系列データを用いた検証(バックテスト)を徹底的に行うので、統計的に優位性のある取引を行うことができます。

注意点

はじめは少額で

投資全般について言えることですが、はじめから多くの資金を投入してシストレ運用を行うことは危険です。経験が浅いうちは、「早く儲けたい」という気持ちを抑え、十分な余力をもってシストレを行うことを推奨します。

1000万の資産を運用し、50%の損失を出して500万になってしまった場合、原資回復には100%もの利益が必要になります。つまり、大きな損失を取り戻すのは容易ではありません。経験を積んだ後も適切な資金管理を行っていくことが重要です。

If I had to sum up my practical skills, I would use one word: survival.  George Soros

私の実践的投資スキルを要約せよ、と求められたなら、ただひとこと「サバイバル」と答えるだろう。ジョージ・ソロス

十分な検証を

シストレを行う際には売買ルールが必要となります。初心者が良質な売買ルールをゼロから構築することは難しいですが、他人が作成した売買ルールを利用する際にも、必ずご自身の手で十分な検証を行って下さい。慣れてきたら、自分なりにカスタマイズするのも良いでしょう。ただし、後述の過剰最適化には要注意です。

また、売買ルールには、上昇相場、下落相場、ボックス相場などに応じた得意、不得意があるため、複数のルールを組み合わせて、リスク分散を行うことも重要です。

システム停止の判断

シストレを続けていると、負けトレードが続くことがしばしばあります。その際、システムを停止するか、否かを判断する必要がありますが、その判断基準を予め決めておくことが望ましいと考えます。

判断基準としては、最大ドローダウン(連続した損失)の更新などが挙げられますが、重要なことはバックテストの結果と実運用結果を注意深く比較・観察することです。例えば、過去の暴落時にどれぐらいの損失がでたのかを把握していれば、システム継続あるいは停止を判断する上での助けになるでしょう。

一方、バックテストの結果と大きく異なる実運用結果が得られた場合は、当該システムが通用しなくなったことを疑うべきです。

実運用で機能しないシステム

過去の相場にぴったり合うように過剰に売買ルールを最適化することを過剰最適化(あるいはカーブフィッティング)といいます。 このようにして得られた売買ルールは多くの場合、実運用では機能しません。

一般的には、バックテストにおいて、取引回数が少なく、異常な好成績をあげているシステムは過剰最適化の疑いがあります。逆に取引回数が多いものは過剰最適化の危険は小さいと推測されます。過剰最適化を避ける(ベターな)手段については、別ページで解説します。

また、実運用では成り立たない取引をバックテストで採用しているような場合も、実運用で期待通りの成績がでません。例えば、信用売り禁止の銘柄をバックテストでは信用売り可能としてしまっているケースなどが該当します。

もうひとつ例を挙げると、逆指値(成行)で発注した際に、不利な価格で約定する場合(スリッページ)がありますが、これを考慮せずにバックテストを行うと、システムの実力を過大評価することになります。

→ 次の記事へ(基本的な進め方)

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