システムの評価

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最大ドローダウン

資産額を時系列で並べて、それぞれの時点以前の最大資産額からの差を計算して、そのうち最大のマイナス幅のものを指します。バックテストにおいて、最大ドローダウンが総資産の10%以下であれば、そのトレードシステムの安定性は高いといえます。

最大ドローダウンの見積もりは資金管理において重要です。ドローダウンが50%もあった場合、耐えられる人はほとんどいないでしょう。また、バックテストによって見積もった最大ドローダウンは、実運用において更新されるかもしれない、ということを考慮して資金管理を行って下さい。

取引回数と誤差

安定した利益を得るためには、1年間に少なくとも100回以上(できれば数100回)の取引回数がほしいところです。一般的に、売買基準を厳しくするほど、1トレードあたりの損益期待値を高くすることが可能ですが、取引回数は減っていきます。極端に取引回数が少ない場合は、過剰最適化が疑われます。

正規分布を仮定した場合、平均損益の誤差(95%信頼区間)は次式で表されます。
$$\Delta =1.96\sqrt { \sigma /N } \\ \sigma^2 =\frac { \sum _{ i=1 }^{ N }{ { \left( { a }_{ i }-<a> \right)  }^{ 2 } }  }{ N-1 } \\ <a>=\frac { \sum _{ i=1 }^{ N }{ { a }_{ i } }  }{ N }$$

(N: 取引回数、a: 損益、<a>: 平均損益)

この式から取引回数が多い程、誤算が小さくなることがわかります。なお、実際には平均損益の分布は正規分布よりも歪んだ分布になりますので、本式による誤差は参考程度として下さい。

プロフィットファクター

プロフィットファクターPFは次式で示すとおり、総利益を総損失で割った値です。
$$PF=\frac { \sum _{ i=1 }^{ { N }^{ win } }{ { a }_{ i }^{ win } } }{ \sum _{ i=1 }^{ { N }^{ lose } }{ { a }_{ i }^{ lose } } }$$

(Nwin: 勝ちトレード数、Nlose: 負けトレード数、awin: 勝ちトレード利益、alose: 負けトレード損失)

この値が高いほど、優秀なシステムであるといえますが、私は最大ドローダウン、取引回数の多さ、総利益をより重視しています。

プロフィットファクターの目安としては1.5以上が望ましく、理想は2.0以上のシステムです。しかし、これはあくまで目安なので、ドローダウンが小さく、総利益の期待値が多いシステムであれば、プロフィットファクターは低くてもかまわないと考えます。一方、3.0を大きく超える場合は過度の最適化の疑いがあります。

ペイオフレシオ

ペイオフレシオPRは次式で示すとおり、勝ちトレード平均利益額を負けトレード平均損失額で割った値です。この値が1を超えて大きくなる程、損小利大であること意味します。

$$PR=\frac { \frac { 1 }{ { N }^{ win } } \sum _{ i=1 }^{ { N }^{ win } }{ { a }_{ i }^{ win } } }{ \frac { 1 }{ { N }^{ lose } } \sum _{ i=1 }^{ { N }^{ lose } }{ { a }_{ i }^{ lose } } }$$

(Nwin: 勝ちトレード数、Nlose: 負けトレード数、awin: 勝ちトレード利益、alose: 負けトレード損失)

また、ペイオフレシオPRを使って、次式からフェラーの破産確率Pを求めることができます。
$$W{ x }^{ PR+1 }-x+1-W=0\\ P={ X }^{ \frac { T }{ L } }\\ W=\frac { { N }^{ win } }{ { N }^{ win }+{ N }^{ lose } } \\ L=\frac { 1 }{ { N }^{ lose } } \sum _{ i=1 }^{ { N }^{ lose } }{ { a }_{ i }^{ lose } }$$

(X: 0 < x < 1における方程式の解、W: 勝率、T: 総資産、L: 平均損失)

総資金=100万円、平均損失額=10万円の場合は、以下の破産確率(%)となります。この条件はかなり危険であるということがわかります。

ruinProbability1_t

総資金=100万円、平均損失額=1万円の場合は、以下の破産確率(%)となります。上の条件よりはだいぶ安全になっています。

ruinProbability2_t

シャープレシオ

シャープレシオSRは次式で示すとおり、平均損益を標準偏差で割った値です。この値が大きい程、安定していると評価されます。
$$SR =<a>/\sigma \\ \sigma^2 =\frac { \sum _{ i=1 }^{ N }{ { \left( { a }_{ i }-<a> \right)  }^{ 2 } }  }{ N-1 } \\ <a>=\frac { \sum _{ i=1 }^{ N }{ { a }_{ i } }  }{ N }$$

(N: 取引回数、a: 損益、<a>: 平均損益)

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