gfortranインストール

Fortran90は数値計算に適した言語で、コードがシンプル(数式に近い表現)、計算が速いなどの特徴があります。Fortran90の解説ページはC++, C#, javaなどに比べて圧倒的に少ないみたいなので本ブログにて解説していこうと思います。

本解説は初心者向けです。テクニカル計算を行う上で最低限これだけ、という感じで解説します。少しずつ解説記事をアップしていきたいと思いますので、気長にお待ち頂けると幸いです。

まず、参考になるページをいくつか列挙しておきます。

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コンパイラのインストール

コンパイラとしては、無料で使用が可能なGNU Fortran compiler(gfortran)を用います。Windows用のインストーラとしてはTDM-GCCがあります。gfortranの最新版はファイル入出力を含むプログラムをコンパイルする際にエラーが出ることがあるので、ちょっと面倒ですが旧バージョン(version 4.8)を使うことにします。
*追記:2022/09/07時点での最新版10.3.0 では上記エラーは解消しました。

まず、TDM-GCC Installer version 4.8 10.3.0をダウンロードして下さい。

→ Download a TDM-GCC installer

Windowsが64bitの場合は “tdm64-gcc-10.3.0-2.exe”を、32bitの場合は”tdm-gcc-10.3.0.exe”をダウンロードして下さい。

次にダウンロードしたexeファイルをダブルクリックして、インストーラを起動して下さい。

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今回は旧バージョンをインストールしたいので、updateのチェックは外します。チェックを外したら、Createボタンを押して下さい。

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ここはNextを押せばOKです。

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インストール場所を聞かれますが、デフォルト(C:\TDM-GCC-64)のままでOKです。Nextを押して次に進んで下さい。

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インストールする項目を指定します。fortranとopenmpにチェックを入れて下さい。プログラムを並列化するときに使います。チェックを入れたら、Installボタンを押して下さい。

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ここはNextを押せばOKです。

f90_8

Finishを押してインストーラを終了します。

Fortranコンパイラのインストール

最新バージョンをインストールする場合は、前述のTDM-GCC InstallerがFortranも自動でインストールしてくれるのですが(インストール項目にチェックをいれた場合)、旧バージョンの場合は手動で行う必要があります。

まず、以下にアクセスしてFortranコンパイラの旧バージョンをダウンロードします。

TDM-GCC Old Releases

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32bitの場合は”4.8.1-tdm-2 SJLJ”、 または”4.8.1-tdm-2 DW2″をクリック、64bitの場合は”4.8.1-tdm64-2″をクリックして下さい。

以下、64bitの場合を例にとって説明します。

f90_9

“gcc-4.8.1-tdm64-2-fortran.zip”をダウンロードして下さい。(32bitの場合は”gcc-4.8.1-tdm-2-fortran.zip”、 または”gcc-4.8.1-tdm-2-dw2-fortran.zip”)

ダウンロードできたら、zipファイルを解凍して下さい。

f90_10

解凍したファイルを全てコピーして、TDM-GCCのインストールフォルダ(デフォルトではC:\TDM-GCC-64)に丸ごとペーストして下さい。

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コンパイラのテスト

まず、エディタ(プログラムを編集するためのツール)の紹介をします。短いプログラムであれば、Windows標準のnotepadでもいいのですが、以下に挙げたようなエディタを使ったほうが後々幸せになれます。気に入ったいずれかを使ってみて下さい。

コンパイラのテストは恒例の’Hello World!’プログラムで行います。まず、エディタを起動させて、以下のFortranプログラムをコピペし、****.f90の名前で保存して下さい(****の部分は適当でいいです)。コピペが面倒な場合は、こちらからダウンロードして下さい(右クリックメニューから保存)。→ sample01.f90

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2
3
4
program sample01
  implicit none
  write(*,*) 'Hello World!'
end program sample01

コンパイルはコマンドプロンプトを用いて、コマンドラインから行うこともできますが、コマンドを打つのが面倒なので、以下のバッチプログラムを使います。以下のプログラムをコピペして、****.batの名前で保存して下さい(****の部分は適当でいいです)。以下は64bit用なので、32bitの場合はTDM-GCC-64をTDM-GCC-32に書き換えて下さい。

なお、コピペが面倒な場合は、こちらからダウンロードして下さい(右クリックメニューから保存)。
64bit用 → comp_exe_64.bat
32bit用 → comp_exe_32.bat

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@echo off
C:\TDM-GCC-64\bin\gfortran.exe -o %~n1.exe %1
%~n1.exe
pause

2行目がコンパイル、3行目がプログラム実行です。

使い方は、****.f90を****.batにドラッグ&ドロップするだけです。

f90_12

こんな画面が出たでしょうか?出ていれば正常終了です。

コピペではなく、ダウンロードしてファイルを用意した場合は、こんな警告がでるかもしれません。(Windows 8.1で検証)

f90_13

その場合は詳細情報をクリックして、実行をクリックして下さい。

f90_14

→ 次の記事へ(記述ルールと変数の型)
目次(Fortran90)

  

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